昨日から10月、新しいコースに、上海蟹コースに、おせちに…この季節になると考える事が山盛りです。
「暇な時に前倒しでやればいいのに…」
と、毎度思うこと、ですが、食はどこかに行かずとも一番身近に四季を感じられるところでもあり、その四季を感じなければ何も湧いてくるものがなく、いつもギリギリになってしまいます。
秋は、実りの季節ですね、銀杏、茸、栗、芋、木の実…。
そんな秋の味覚をたっぷり使ったコースにしようと思っています。
さて、今日は、〆のちまきに入れる栗をせっせと…。
栗の渋皮を剥くのが私にとっては一苦労。
料理人の仕事って、お客様にご提供する時よりも、こういう細かいこと、永遠に続くんじゃないかと思うほど途方に暮れてしまうような仕込みが1日の大半で、今では私も少しは手伝いができるようになりましたが、シェフの仕事を手伝い始めた頃は、すぐに手が痛いだの、これは難しくてできないだの、冷たいだの、熱いだの…弱音を吐くばかりだったと、恥ずかしい限りです。
今となっては、そんな仕込みも前向きにできるようになりましたが、いつも美味しいと思ってもらえるようにと、途方に暮れるような仕込みはそんな想像をしないとできないなと思っています。
「料理人は、それが仕事」と言ってしまえばそれまでなのですが、花形と思われる仕事はほんの一時で、ほとんどは地味な作業の連続。
「以前にシェフの祖母が毎年、山で採れた栗を沢山、渋皮まで剥いて送ってくれてたなぁ」
そんなことを思い出しました。
たぶん、私達に食べさせたくて、一つ一つを丁寧に剥いて送って下さったのだと思うと、その時にはそれほど、この作業への大変さを理解していなかったと後悔し感謝しつつ。
鶏肉、豚肉、シイタケ、もち米…中華だしの旨味をたっぷり吸いこんだお米を蓮の葉に包んで蒸して仕上げますが、中の栗だけが、異なった食感でなんともほっこりさせ秋を感じさせてくれます。
ぜひ10月の秋のコースでお楽しみください。
お待たせしております上海蟹のコースは、10月9日より、季節の通常コースは、今週中、メニューが整い次第更新させて頂きます。
また、お問合せの多いおせちですが、ご予約は開始しておりますが、詳細のご案内は10月8日以降にアップできるかと思います。順番にご案内したいと思います、もうしばらくお待ちください。