先日、トマトの生産現場に行き、見学をさせて頂きました。
幻のトマトと言われる漫画の「美味しんぼ」にも登場するトマトとのこと。
静岡県掛川市の石山さんの農園。スーパーにもよく並ぶ桃太郎という品種。
石山さんのトマトは、 味のコク、甘さ、酸味のバランスがとても良いと評価されています。
みなさん、スーパーで並ぶトマト、一ついくらだと手にとりますか?
今スーパーでも色々なトマトが並び、 価格も様々。
石山さんのトマトは、こだわりが強く、青果業者の方も生産者がこだわって作っているものを安売りはできない!価格も他のトマトと比べると少し、高めです。
でも、そのトマト一つに感動があるんです。
最低限の水、湿度の管理。ずっと昔海だった土地でミネラルが含まれた土。
水を過度に与えないことにより、 トマトが沢山の水を吸収しようと頑張るんです。
だから、トマトの表面にも空気中の水分までも一生懸命吸収しようと産毛が沢山はえています。
トマトの持つ生命力や土地からの恵みを生かす為、 温度、湿度、水の供給量、とても愛情をもって管理されていました。
こだわりをもって大切に作ったものを安売りできない、だからスーパーなどに出回ることは少ないかもしれないし、沢山需要があるわけでもないかもしれません。でも、「注文の多いシェフたちを納得させられる誇れるトマトを作る方がやりがいがある!」とおっしゃっていました。
安い食材を美味しく 調理し、お客様にも手頃な価格で提供する。
本当によい食材を、その食材の持ち味を殺さず最大限に活かしてお客様に提供する。
どちらも料理人の仕事です。
輸入のもの、安くて美味しい物が多くなってきた時代ですから、本当に良いものが、その物がもつ価値に値する金額で売られないことも多いのだとか。もちろん消費者の立場から考えたら、安いに越したことはないけれど、良い物には、それだけ感動があるのに、ちょっと悲しいです。
誇れるものを作るためには、それだけの労力、コストを掛けて作られているのだと改めて感じました。
日本の食文化は、生産者から始まっています。
そのことを理解して、これからも食材の持つ 力を最大限に活かせるような料理を考えていきたいと思った一日でした。
生産者あっての料理なんですよね。